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2000年1月19日 (水)

平成12年第1回臨時会(1・2月)-01月19日-02号

◆(竹原よし子議員) 私は、日本共産党市議団の一人として、第九四号議案 人工島建設に関する鹿児島市民投票条例制定の件について、市長並びに関係局長に質問いたします。
 まず第一に、市長の政治姿勢について伺います。
 我が国では、現在国会に代表者を送ることで政治のあり方を決める、いわゆる間接民主制が採用されています。しかし、その原則だけでは万全とは言えないので、じかに憲法の上でも、最高裁判所裁判官の国民審査制、憲法改正の国民投票制、地方自治特別法、一つの地方公共団体のみに通用する法律の住民投票制という直接民主制の制度が定められています。これは、国民主権を基本原理とする憲法が国民という国の政治の主人公に対して、より実質的な主権者としての意味を与えようとしてとられている措置であります。自分たちの選んだ代表、具体的には首長や議員が、自分たちの願い、自分たちの思いとは違う態度をとったとき、だれしも黙っていられなくなります。直接請求という制度の持つ存在理由は実はここにあるのであり、市長もこのことについては十分に御存じのはずであります。
 人工島建設の賛否を問う投票条例の制定の市民の数は、約四万五千名。厳しい条件のもと、市民の精力的な運動で集められたものであり、この要求は、まさに自分たちの選んだ議員が自分たちの思いと違う態度をとった、そのことに対する究極の行動でもありました。ところが、市長は付された意見書の中で、賛成できない理由の一つとして、市議会において、公有水面埋め立て、つまり海を埋め立てることに同意する旨の議決が議会でなされ、去る十二月議会では、その事業費の負担金に関する予算も可決されたから、市民の求める条例制定をすることは賛成できないと述べておられます。
 市長の意見は明らかに矛盾しています。
 市民の皆さんは、市議会つまり議員のとった態度、決めたことに納得できないからこそ、市民の投票で人工島建設の賛否を決めたいと言っておられるのであります。ならば、市長の態度としては、常に議会の意思を尊重するのが私の立場ではありますが、市民の皆さんが法に基づく手続を経て、直接選挙でもって人工島建設の賛否を決めたいとおっしゃるのであれば、それも尊重するのが私の立場です。賛成いたしましょう、建設の賛否と同時に、今後の工事に対する本市の負担を続けるかどうかも選挙の結果を尊重しましょう、と言うべきであり、これが市長、あなたの態度、とるべき道ではありませんか。直接請求制度の核心は、単に条例の制定、改廃を提案するだけではなく、最終目的として住民投票によって可決を決する点にあります。同じ市民から選挙で選ばれている市長、あなたのとるべき態度は、やむにやまれず自分たちの声を直接聞いてほしいと立ち上がった市民の声に耳を傾け、その声にこたえることではありませんか。市長の明快な答弁を改めて求めるものです。
 市長への質問の二つ目は、市長は、市民からの投票に関する条例を提案するに当たって市長としての意見を付していますが、請求代表者が条例制定請求書に明記している請求の要旨や条例案には一言もその意見を言わずに、市民投票条例制定には反対だと述べておられます。長が議会に条例案を付議する際、通常、一、当該条例案に対する賛否のほか、二、法律的な意見、三、立法技術的な意見、四、具体的な修正意見等も含まれると言われておりますが、それから見ますと、市長はみずからの意見を議会におっかぶせ、一般論としては住民投票条例制定の評価はしても、人工島建設については推進するので投票条例に反対だと言っておられます。
 伺いたいのは、市長は、人工島建設の賛否は別として、住民投票を本市で実施することに反対なのでしょうか。反対だから請求者の要旨について触れてもおられないところなのでしょうか。本市議会でも五十七項目の問題点、本市予算の留保や凍結など、これまでも各会派の思いはあっても、委員会や本会議で一致して決定してきました。それだけ県の人工島建設には多くの問題のあることが明らかだからであります。請求者の要旨に対する市長の見解を求めるものです。
 次に、条例制定請求の要旨並びに市長の意見書の幾つかに限って伺います。
 日本共産党鹿児島市議団は、平山団長を中心に、特に昨年一年間、この人工島建設について徹底的な調査をし、議会内で徹底追求を行い、いかにこの計画がずさんなもので、県民・市民の税金のむだ遣いであるかを明らかにしてきました。
 指摘した問題点の一つは、六十七ヘクタールの計画を二十四・七ヘクタールと分割埋立申請をすることにより、県の環境影響評価要綱や昨年六月から実施の国の評価法の厳しい調査を逃れ、住民への説明会、専門家の意見聴取も行わなかったこと。
 問題点の二つ目は、これまで北埠頭から谷山港までの一連の公有水面埋め立ても、陸上における土地造成のあり方や許可は、全体計画をまず申請し工事は分けて行うという手法をとってきました。今回の人工島のような申請のあり方は脱法行為とみなし、これまでだと許可してこなかったことなど整合性のない問題。
 第三に、まだ国に埋立申請も行っていない段階で十六億三千五百万円の漁業補償を支払い、しかも未計画の四十二・三ヘクタールの部分の漁業補償を先に支払い、計画の二十四・七ヘクタールは後で支払っているなど、その金額の根拠も支払い方法も、いまだに県民・市民の納得のいくように明らかにされていないこと。
 第四、県が突然発表した年七十一億円の経済効果も、実は期待と願望の積み上げだったこと。
 第五、桜島の土石流土砂処分に埋め立てが必要の根拠も、市所有の有村採石場跡地の利用活用で二十二年間は大丈夫であること。
 第六、県の財政は極めてピンチ、返済も子や孫の代まで二十六年間も負担をさせることになるなど、ずさんで税金のむだ遣い、人工島建設は中止をすべきであることを明らかにしてきたのであります。
 私は、まず条例請求者の要旨にも書かれ、市民投票の必要性を市民が痛感するに至ったことと深く関連しております環境問題について質問いたします。
 去る十一月十三日、鹿児島市で開かれた日本底生生物学会で、鹿児島大学大学院の三浦知之教授の研究グループが人工島海域で、珍しいゴカイの一種キートプテルス・カゴシメンシスの鹿児島湾における二個体目を採取したことが発表され、国内外で大きな注目を集めました。
 直後の十二月議会で、私はこの事実を指摘し、珍しい底生生物が発見された以上、環境調査をやり直すべきとただし、県がもししないなら市が独自にでもなすべきだと要求してきました。
 質問の第一点、その後に至っても、県は珍しいゴカイを人工島海域で採取した研究者本人に対しては何の連絡もとらず、調査の状況や結果、その意義等について何一つ聞くこともしていませんが、それは事実か、お答えいただきたいのであります。
 質問の第二点、その一方で、県は、人工島環境調査を請け負った企業などから仕入れた底生生物に対する一知半解な知識をもとに、十二月十五日、県議会企画建設委員会の人工島集中審議の席上、一方的見解を臆面もなく展開するに至りました。こうした答弁を行なったのが、底生生物の専門家でもない県港湾課長であったことも専門家や市民にとっては驚きでした。県港湾課長の答弁は「指摘のキートプテルス・カゴシメンシスは、ツバサゴカイと同じという北海道大学の研究報告が一九三五年に出ている。学名上、ツバサゴカイの別の名前であるという一九六四年の報告もある」というものであります。
 これまで私は、ほかの数名の方々とともに三浦先生と二回にわたり懇談し、採取されたキートプテルス・カゴシメンシスの標本を見させていただくとともに、採取状況や生態、ゴカイ研究の歴史等について詳しくお聞きしました。県港湾課長が答弁で持ち出した北海道大学・奥田四郎先生の報告、六四年の国立科学博物館・今島実先生の報告はもちろん、さらに、その後の横浜国立大学・西栄二郎先生(鹿児島県出身)の研究報告、コペンハーゲン大学のメリー・ピーターソン博士の指摘、世界自然保護基金特別報告など、ラテン語と英語で書かれたツバサゴカイやキートプテルスに関する研究報告の関係箇所を、直接口頭で日本語に訳されるのも拝聴し、関係部分のコピーもいただいてまいりました。
 先生の結論は、県港湾課長が引用した北海道大学の研究報告は一九三五年当時の研究発表であり、その後、研究には発展があった。一九九六年の鹿児島県出身の西栄二郎先生の研究報告では、ツバサゴカイは棲管、住みかは大型でU字の型をしており、泥の中につくられるが、キートプテルス・カゴシメンシスの種は、棲管が小型でJ型、固い基盤の上にくっついており、この二つは同種ではないこと。カゴシメンシスの種の生体も、体の後ろの腹側のいぼ足のサイドの出っ張りの上に、背・腹両方の糸上の突起を持つもので、このような生体はツバサゴカイ属の中では、ただ一つである。両者は区別できる。一緒にするのはおかしいというものであります。北海道大学の研究報告は、比較するほかの標本を検査せずに、同じツバサゴカイの種と結論づけていますが、今日ではタイプ標本を検査せずに、ほかの種との同一性を論ずるようなこのたぐいの論文は、学術雑誌には受けつけられないとされています。県にとって都合の悪い最近の西栄二郎先生の研究報告は意図的に隠し、人工島建設推進にとって都合のいい研究報告だけを報告、強調して工事着工を強行する県の姿勢と手法は、県議会と県民を欺こうとするもので許しがたいものであります。このような情報隠しと県民を欺く県の姿勢と手法が、多くの市民の疑問と不信を一挙に募らせ、市民投票の必要性を一層痛感させることになったのであります。
 市長は、県議会の席上、県港湾課長が引用した研究報告以外に、鹿児島県出身の専門家が県の答弁とは全く逆の結論の報告を出していることをどのように御存じですか。私が指摘した西栄二郎先生の報告の関係箇所について、関係部局から報告、説明を受けたことがありますか。受けていれば、その内容をお聞かせいただきたいのであります。もし、承知していないとすれば怠慢も甚だしいものであります。採否は別として、県の言うがままと言わざるを得ません。当然、県に対し、研究者の報告を引用するなら、西栄二郎先生の直近の研究報告も引用すべきではないかとただし、情報隠し、県民・市民を欺く県のやり方、抗議と訂正の申し入れをすべきではありませんか、見解を求めるものです。
 多くの市民は、こうした経過を知れば知るほど人工島建設に対する県のやり方は納得がいかないのであります。市民投票を通じて物を言いたいのであります。それができるように条例制定に賛成意見をつけるのが、市長の当然あるべき姿ではないでしょうか。
 質問の第三点、珍種で貴重なカゴシメンシスが採取された後も、県当局は県議会の席上、「ゴカイは数多くおり調査の対象にしていない」「環境庁のレッドブックにも載っていない」と言い、県広報紙「県政かわら版」等でも、「人工島海域には埋め立てで失われるような貴重な底生生物はいなかった」としています。
 地球に生命が誕生して三十八億年、人類は単独では生存できません。地球上、数百万種の生物を構成する一つの種として連鎖と関連の中で生きることができるのです。年間に四万に及ぶ種が消滅していると言われる今日、地球を構成するさまざまな種の保護に英知を傾ける必要があります。
 昨年六月十二日施行された新アセス法も、そのような世論の高まりの中で制定されたものであります。錦江湾は先祖からの贈り物、未来からの預かり物であります。大事に大事にしなければなりません。人工島埋め立てに当たっても、このような立場が必要であります。新しい種の底生生物について、希少生物に指定するかどうかの検討は、それが発見、採取されてから取りかかることになることから、既に発行されている環境庁のレッドブックに記載されていないのは当然であります。現在記載されていないからといって、貴重な生物ではないということは誤りではありませんか。今回採取されたカゴシメンシスは、鹿児島県で採取された二つ目の個体であり、新たに発見された新種のイソギンチャクとともに、学術的にも貴重なものであることは論を待ちませんが、まず、市長のこれらに対する評価と認識をお聞かせいただきたいのであります。県の底生生物調査で発見できなかった二つの生物が、大学の専門家によって発見されたことは、県の調査がいかにずさんであるかを物語っていると考えますが、見解を求めるものです。
 人工島の埋め立てによって、この底生生物が根こそぎ失われるようなことがあってはなりません。生物保護のための世界的組織である世界自然保護基金が発行したジャパンサイエンスレポート九六年版、「日本における干潟海岸とそこに生息する底生生物の現状」という本の十一ページでは、ツバサゴカイは希少生物扱いとされています。世界は、このように底生生物保護に向かって大きく動いています。錦江湾でも、ゴカイについて数多く種があり環境影響評価にとっては取るに足らぬ生物であり調査の対象外というような世界の大勢に逆行する県の考えは、この際、改めるべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
 人工島海域で採取された珍種のカゴシメンシスや新たに同海域で発見された新種のイソギンチャクの再調査を行うよう、知事に改めて進言すべきと思いますが、伺うものです。また、人工島の埋立海域の珍種や新種の貴重な生物を保護すべきという市民の意思を、市民投票を通じて表明できるようにするのが市長の責務と思いますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。
 以上で、一回目の質疑といたします。

◎市長(赤崎義則君) 竹原議員にお答えいたします。
 今回の市民投票条例の制定請求に関する私の基本的認識でございますが、これまでも御答弁を申し上げてきましたように、直接請求制度は現行の地方自治制度の根幹をなす間接民主制を補完する制度として、地方自治法上認められた制度でございます。今回の市民投票条例の制定請求も、この制度に基づいてなされているものと認識をいたしております。人工島にかかわるこれまでの本市議会での審議経過等を踏まえたときに、改めて市民投票を実施することには賛成できないものと判断し、そのような意見書をつけて議会に付議したものでございます。
 人工島計画につきましては、平成五年の鹿児島港港湾計画の中で位置づけられて以来の要望活動等の経過や、公有水面埋め立てに対する同意や負担金に関する予算にかかわる市議会の議決を踏まえ、また、県において県議会の各面からの審議を経て、既に昨年十二月に着工をされておることなどから、本条例の制定に賛成できない旨の意見をつけたところでございます。なお、請求の趣旨は十項目が述べられておりますが、これらのことにつきましては、今後、県において県民の理解を深める努力をしていかなければならないものと考えております。
 次に、ゴカイのことにつきましては、御指摘のような事実があったことは私も報告を受けておりますが、このことについての個々の細かい具体的な内容までは、私は今のところ報告は受けておりません。県の港湾課長の答弁内容や西先生の考え方などがありまして、その考え方については一致しておりませんけれども、それぞれの立場で行った調査に基づいて意見を述べられたものと私は理解をいたしております。
 次に、おただしのゴカイとイソギンチャクの評価と認識についてでございますが、午前中、教育長が御答弁を申し上げましたように、鹿児島大学大学院連合農学研究科の三浦知之教授に伺いましたところ、「キートプテルス・カゴシメンシスは一九一一年に鹿児島湾で発見されており、今回採集されたゴカイは、その同種のものであると思われるけれども、現在研究中である」ということであったと伺っております。また、採集をしたイソギンチャクについても、カザリイソギンチャクの仲間と見られるが、千葉県立中央博物館の専門家に研究依頼中であるというふうに伺っております。
 おただしのこれらの評価と認識につきましては、現在専門家の方々が研究中でありますので、現時点におきまして、これに私が断定的な評価を申し上げるということは大変困難でありますので、御理解を賜りたいと存じます。
 また、県におきましては、学者や研究者の間でそれぞれ異なった意見や報告があることを述べられたものと私はとらえております。このことについての再調査の件につきましては、必要があれば県において判断されるべきものと考えております。
 次に、先ほども申し上げましたとおり、ゴカイにつきましては、学者や研究者の間でそれぞれ異なった意見や報告があると伺っておるところでございます。なお、市民投票条例に対する私の考え方は、意見書の中で申し上げておるとおりでございます。

◎建設局長(木村耕一君) ゴカイの件につきまして、お答えいたします。
 県によりますと、研究者本人には連絡はとっていないとのことであります。
 以上でございます。

◆(竹原よし子議員) 御答弁いただきましたが、市民投票条例制定に対する市長の見解と私ども市民の願い、主張とはかみ合っていません。いずれにしても、今後一層論議していく必要があり、私どもは引き続き、この問題については関係委員会の中でも質疑をし続けていきたいと思っております。
 環境問題について、市長や市当局の珍種や新種と思われる底生生物に対する評価や対応は、とても認めるわけにはいきません。市教委の文化課が三浦先生のところに行かれたことは、教育長のさきの答弁で察しがついてはおりますが、現在研究中であるということを理由に、まるで価値がないかのように装い、県の強引な事業着工にゴーサインを出すのは断じて許せないのであります。
 私は、述べましたように、この間、二回、三浦先生とお会いいたしましたが、研究者らしく淡々とお述べになるのであって、「研究中」というのは、もっと海域の調査をすべきということであることを深くとらえる必要があると思っております。金も時間もかかるわけですから、行政としては大いに援助の手を差し伸べるべきであり、いずれにしても、県民・市民の共通で貴重な財産である錦江湾を守るために、県が改めて環境調査をやろうとしないのであれば、市独自で市長みずからが、その環境調査をやるべきであるし、また改めて県にも強く要望をされることも求めるものであります。
 文部省唱歌「我は海の子」の作詞者が、鹿児島市加治屋町出身の宮原晃一郎氏であることは、過去の本会議の中でも明らかになりました。宮原氏が、元小樽新聞記者だったこともあり、私は、数年前伺った小樽近代文学館に、しっかりとそのことが保存をされていたものを目の当たりにしてまいりました。とにもかくにも「我は海の子、白波の騒ぐいそ辺の松原に」、この情景は、眼前にそびえる桜島、河口に沿って白い砂浜や松原が延々と十キロ以上も連なっている当時の錦江湾の景観が、この歌に込められていることは関係者の証言からも既に明らかであります。今や当時の面影はほとんど残っていないのでありますが、しかし、もうこれ以上、景観を壊し、環境を破壊してもらいたくない、そして、それを壊す権利はだれにもないはずだというのが、市民、県民のほとんどの人々の声であります。
 次に、伺いたい大きな二つ目は、県、市の財政状況であります。
 請求の要旨には、市民の疑問や不安、反対の声が大きく広がっている理由の一つに、建設費県負担金の九五%が借金、返済は二十六年間も続くことが挙げられています。我が国は今世界一の借金国になっています。二〇〇〇年度の予算が組まれてみると、来年三月末の国と地方の借金総額は六百四十五兆円、国民一人当たり五百四十万円、四人家族なら二千百六十万円もの借金を負わされることになり、二十一世紀に国民が、私たちの子供や孫たちが払い続けなければならない実態になっています。なぜこんな状況になったのでしょうか。
 長い間、続いている自民党政権のもとで、毎年、国と地方合わせて公共事業に五十兆円、社会保障は二十兆円という欧米先進国と比べても財政の使い方が逆さまになっていること、その上、バブルで大もうけした大銀行などの破綻処理に七十兆円もの税金投入をすること、とりわけ一九九五年から二〇〇七年までの十三年間で六百三十兆円もの莫大な財政を公共事業につぎ込むという対米公約など、財界とアメリカの要求にこたえて、公共投資が日本の財政を大きくゆがめてきたのであります。日本中、至るところで港湾整備や空港づくり、海を埋め立てて人工島をつくり、決まったように国際会議場をつくる、こんな事業が進められてきました。鹿児島県の人工島建設もその一環であることは言うまでもありません。しかしながら、どこの自治体でも今や財政難にあえいでおり、九州管内だけでも宮崎県のシーガイアの経営破綻は余りにも有名であり、北九州市の人工島建設、長崎県出島の国際会議場の建設見直しなど、次々と不要不急の大型開発、ゼネコン奉仕の公共投資が見直しをされ、財政の立て直しが始まっているのであります。
 そんな中で、鹿児島県はどうでしょうか。景気浮揚のためにどうしても人工島は必要の一点張りであります。県の借金は、今年度末で予算規模の一・三倍、一兆三千二百三十六億円、須賀知事が知事になられる前、平成八年三月末、約八千七百億円だった県の借金は、一挙に約三千五百億円もふえて一・四倍になっていると聞きますが、それは事実か。
 一方、県政と私たちの暮らしはどうでしょうか。
 第一に、国の示した基準以上のことは一切やらない県政であります。多くの都道府県が国の七十歳以上医療費助成を独自で対象年齢を引き下げているのに、それもやらない。約半数の都道府県が介護手当の助成制度があるのに、全く出していない。入院給食費の助成制度もゼロ。国保会計への各市町村への支出金も一円も出さない。
 第二に、国の言いなりに事業の縮小・廃止をどんどんやっています。例えば、一昨年、国が母子家庭の児童扶養手当の所得制限を厳しくし、全県で四百五十世帯、本市でも二百十六世帯切り捨ててしまいました。県は、直ちに医療費助成も取り上げてしまったのであります。全国で最もおくれて母子家庭への医療費助成をやったのに切り下げは素早くやる。私学助成も全国平均より年間約四万円も少ないなど、県民には非常に冷たい政治、ひいては市政や市民にも我慢を押しつける政治が行われている中で、財政がどんなに苦しくても、おかまいなしでゼネコンもうからせの仕事には熱中しているのであります。かかった費用六百四十七億円で、全国二番目の豪華県庁舎、地上十八階、九州一高い庁舎であります。その上に、今回の人工島計画であります。
 伺いたい第二点、とりあえず埋め立てに四百二億円と言われています。国際会議場など上物も入れてどれほどの事業費なのか。国、県、市の負担割合はどうなるのか。事業内容、期間もあわせてお示しいただきたい。
 第三、我が党市議団の試算によりますと、本港区から一号用地B区までの鹿児島港港湾整備費は、昭和四十八年度からの当時からの資料で積算しても約二千五百八十億二千万円でありますが、うち本市の負担分は幾らぐらいになるものか。さらに、この十年間で港湾整備の負担金及び借金して負担した金額はどれくらいなのか。
 第四、自治省が去る一月十五日発表した一九九八年度都道府県決算によると、鹿児島県は公債費負担比率はワースト六位、二一%に達し、危険ラインの二〇%を超え、財政構造の硬直化が一段と進んでいることが明らかになりました。本市の場合どうなるのか、今年度末の見込みで公債費負担比率など財政状況をお示しいただきたい。
 第五、財政状況が極めてピンチの県が新たに大型公共事業を行い、今後さらに借金をふやしていくことについて、市長はどのような見解をお持ちか伺うものです。
 第六、我が党は、これまで莫大な税金をつぎ込んで埋め立てた土地で有効活用されていない、いわゆる遊休地が合わせて四十ヘクタール近くあることを明らかにしました。県は、活用策の決まっている土地と反論しておられるようでありますが、その後の社会経済情勢の悪化で、活用されるめどは立っていないのであります。百歩譲って、どうしても国際会議場やイベント広場が必要であれば、新たに埋め立てなくとも、これらの遊休地を活用すべきという市民の声に当局は何とお答えになるでしょうか。未利用地の存在についての見解と市民の声に納得のいく答弁を求めるものです。
 以上で、二回目の質疑といたします。

◎市長(赤崎義則君) 人工島の建設は、県において、二十一世紀の鹿児島にとって重要であり、県勢の浮揚発展のために必要であると判断をされて事業に着手されたものでございます。今後におきましても、県においては、みずから財政状況に配慮をしながら、事業の必要性を十分に判断して、諸事業に対して対処していかれるものと考えております。

◎総務局長(井ノ上章夫君) お答えいたします。
 鹿児島県の平成七年度末及び十年度末の起債残高につきましては、お示しになられたとおりでございます。
 次に、本市の公債費負担比率は、十年度一二・九%で、中核市二十一市の平均一六・三%と比較いたしますと三・四ポイント低くなっております。また、順位も低い方から四番目に位置しておりますので、中核市の中では良好な数値を保っていると考えております。
 本年度の公債費負担比率の見込みでございますが、将来の財政負担の軽減を図るために繰り上げ償還をしたこともあり、一五%台程度になるのではないかと試算をしております。
 以上でございます。

◎建設局長(木村耕一君) お答えいたします。
 県とされては、埋立後の国際会議場などの上物の具体的内容などについては、今後、社会経済情勢の変化を見きわめながら、本市や経済団体とも連携を図りながら検討してまいりたいとのことであります。おただしの事業費などについては、その中で協議されるものと考えております。
 次に、おただしの港湾整備費のうち、本市の負担額及び十年間の本市の負担金は把握しておりませんが、平成五年度から平成十年度までの六年間について、本市の負担金は約五十億円で、うち起債額は三十四億円であります。
 次に、鹿児島港の未利用地につきましては、これまでも申し上げてまいりましたように、本港区に約五ヘクタール、谷山二区に約十九・一ヘクタールの分譲予定の土地があり、引き続き、県において分譲に向けて検討されているとのことであります。
 以上でございます。

◆(竹原よし子議員) 御答弁いただきましたが、依然として市長の見解と市民の思いには隔たりがあります。たとえ今、人工島建設が実施されようとも、今後これを継続して建設し続ける保証は、国や県の財政事情からいってもほとんどないのであります。多くの市民の意思も、この不安があるからこそ自分たちの意思を反映したいと市民投票を求めているのであります。事ここに至っても、まだ市長は、「県の県民、市民の理解を得られる努力に期待」と願望を込めた答弁を繰り返されるのでしょうか。人工島建設によって、直接・間接に大きな影響を受ける五十五万市民の首長、そして全国市長会会長とは思えない無責任ぶりであります。
 年末に私が訪問いたしました七十代の女性は、人工島建設に大変怒っておられました。「須賀さんは何を考えているんでしょうか。平瀬さんの市長時代、錦江湾で魚がたくさんとれるようにとマスを入れたり、タコつぼを入れたり、石を入れたり大変な努力をされた。その努力を無にする人は許せない」と大変な怒りようでありました。具体的事実を詳細に調査しているものではありませんが、先輩市長さんたちの努力を、市長あなたは無にされるおつもりですか。
 また、先日、私の事務所にかわいい来訪者がありました。小学校六年生の子供たち六人でした。インタビューに来たと言うのであります。一つは、人工島についてどう思いますか。二つ目は、みんなが反対しているのに、なぜ工事を進めるんですか。なかなか鋭い質問でした。社会科でそれぞれグループに分かれて研究をする教材に選んだと言うのです。「あなたたちはどう思うの」という私の問いに、全員が「反対です」と言い、「なぜなの」という私の問いに、「環境が悪くなるから」「海が汚れるから」など口々に言うのであります。子供たちでさえというより、子供たちだからこそ、澄んだ目で見ることができるし、澄んだ目で見れば、だれもが錦江湾に人工島なんか要らないということになるのであります。
 ことしは選挙の年であります。総選挙、四月の市議選、七月の知事選、十一月から十二月市長選、市長がどうされるのかまだ明らかではありませんが、四期十六年、市職員時代から約五十年、半世紀、市長はこの市役所で仕事をして来られました。スタッフにもきっと恵まれておられるのでしょう。とかく「箱物づくりの市長」と言われたり「文化財壊しの市長」とも言われてきましたが、せめて後世の人々に、「国、県に対峙し、人工島建設の中止・見直しを強力に進め、市民と鹿児島の未来を守った市長」と言われたいと思われないのでしょうか。市民の法に基づく、やむにやまれぬ思いに思いをはせ、市民投票を実施されますように強く要望をし、私たち日本共産党市議団も、その実現に全力を尽くす決意もし、私の個人質疑を終わります。(拍手)

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